督田 昌巳  

物で溢れているこの世界であえて物作りを仕事とすること‥…
僕の作る物は木製の家具や雑貨類、道具です。道具ですからそれらは人がなにかの欲求を満たしたいと思う時、その作業の利便性や効率を高めるために使われます。確かに効率や利便性は物を豊かにし私達の生活を豊かにしてきましたが、その豊かさとは反対に、いつでもどこでも欲しいものが手にはいるという環境の中で、私達のこころは、 いつしか一分一秒を争う時間に支配されてしまったように思われます。

 豊かさを物に求める限り、それが満ち足りる事はありません。もっといいものを、もっとたくさん手に入れたいという欲求をうみつづけ、それは物が豊かになるのと反比例して こころ を枯らしてしまいます。豊かな物は豊かなこころを実現する為の道具でなければなりません。もっと強く言えば豊かな物がなくともこころを豊かにしてくれるたった一つの物があればそれでいいんだと思います。

Masami Tokuda